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「与えることは、奪うこと」

むかし教育心理学を学んでいたとき、「与えることは、奪うこと」という言葉に出会いました。

最近、たまたまこの言葉を思い出す機会がありました。

私は、教育現場において「わかりやすいこと」は必ずしも子どもためになるとは限らないと思っています。

立体の切断でできる切り口の形をアニメーションで示したり、立体図形の見えない部分を3Dで回転させて見えるようにすることは、頭の中でイメージすることが難しいことを「わかりやすく」示してくれるとは思いますが、だからといって、イメージする力を伸ばしたことになるでしょうか。わかりやすさを求める風潮は、どうも子ども成長の機会を奪っているように思えてなりません。

「宿題の1番と2番と3番と4番がわからないから教えて?」

「これはね、こんな線分図をかいてみると…、ほら、よくわかるでしょ!」

「なるほど、ありがとう!」

これでは、せっかく宿題を悩み抜くことで成長する機会を奪ってしまったにすぎません。

時間効率を求める教育サービスの名の下、子どもと指導者の接点でこのような場面が至る所で見られます。

「自力でできること」は助けない。

「ちょっとしたサポートやヒントがあればできること(発達の最近説領域といいます)」は、一時的に足場かけ(スキャフォルディングと言います)を行いあとは見守る。

「今の自分では手に負えないこと」は、無理せず今やらなくていい、という判断を示してあげることも時には必要

受験が目前に迫っている受験生ならやむを得ない場面もあるかもしれませんが、時間的余裕があるのなら、

子どもの「今」をしっかり見極め、学ぶこととゆっくり真っ直ぐ向き合えるようにしてあげたいものです。

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この記事を書いた人

前田 陽孝のアバター 前田 陽孝 ひとけた塾 代表

大学卒業後から長く中学受験に携わる。幼児教育の講師資格も持ち、2歳のとき指導した生徒を10年ぶりに再度中学受験生として指導した経験がある。
大手進学塾勤務時代は、算数科主任、校長、最難関コース責任者などを歴任し、担当した生徒の合格校は、灘、東大寺学園、西大和学園、大阪星光学院、神戸女学院、四天王寺、洛星など多数。近年は保護者向けの中学入試情報の発信役を一手に引き受けていた中学受験のエキスパート。